老若男女世界文学全集装画展Vol.8 "宇宙の眼"を描く
フィリップ・K・ディックの小説『宇宙の眼』を、
10人のイラストレーターがそれぞれの解釈で描き、
デザイナーと組んで模擬装幀を制作。
文庫カバーと挿画、それぞれの原画も展示します。(FB公式イベントページより)
ブログを描くのが1ヵ月近く遅れてしまい大変失礼いたしました……。
打ち合わせも終わりラフも何度か見ていただき、もう装画は本データを納品しています。
現在挿入画を制作中。
遅くなりましたが5月13日(水)にgallery DAZZLEにて開催された第2回ワークショップ体験感想メモをUPさせていただきます。
今回は登場人物のイラストと、2回目の装画&挿入画のラフ講評を受けました。
講評で見ていただいたもの一覧
・登場人物のイラスト9点
・DM用のイラストラフ1点
・挿入画のラフ3点
・装画のラフ2点
・オマケ素材2点
登場人物画
前回の講評会で宿題に出された「登場人物全員を自分なりに描いてみる」という課題です。
普段は水彩で描くことが多いのですが、今回は表情や服などの細かい部分の描きやすさを重視してペンを使用しました。
物語に登場し、行動するうちに見えてくるそのひとの本性や不安、嫌な顔を描き込んでみたり、
このタッチは挿入画の方で活かしていきたいと思っています。
DM用のイラスト
登場人物から一人を選びDM用のイラスト提出の期日も近付いていました。
誰か一人を選ぶとしたらダントツでミス・リースを描きたかったのですが、印刷がカラーであること、私の水彩のタッチで描くには見た目が地味なことを考えて、一番派手そうなミセス・プリチェットを選びました。
少し平面的、この物語特有の暗さ、不気味さが不足しているという講評を頂いたので、データ納品前にこのように修正してみました。(左:修正前→右:修正後)
挿入画のラフ
印象に残ったシーンから3点選んで描きました。
モノクロ水彩画印刷にどう出るか、ラフだということもあり、かなりペンに頼った描き方になりました。
自分自身も巣に囚われた蜘蛛、というのがミス・リースのイメージです。
こちらは講評後も悩んでいたのですが、後日デザイナーさんとの個別打ち合わせで驚くほどすっと納得の方針決定、現在制作中です。
装画ラフ
カラーとモノクロの2点描きました。
前回の講評でもっと素材として託すように描いてみたら?と言っていただいたので、私のイラストの美味しいところはどこかな、と考えてみました。
水彩の塗り方と色幅、グラデーション、模様のような抽象的な感じ。
モチーフhはタイトル通り「宇宙の眼」と最初に出てきたドーナツ型の機械の気配も出せたら良いなと思っています。
ぼんやりちがちなところはコンパスを使用して、線の境をはっきりさせました。
印象に残った言葉や自分が思ったこと、箇条書きごちゃっとメモ
・見ただけで「どういう人かわかる」イラストを心掛ける
・座ったり動いたり、その人らしさが出るポーズを探す
・横顔、角度の違う顔でも同じ雰囲気が出せるか、コントロール
・想像力をかきたてられる、興味を持ってもらえるイラストとは
・受け手に自分が何を投げていくか、どう思ってほしいか
・不得意なものから逃げていないか、描けないという思い込み「もしかしたら描けるのでは?」
・仕事になると描けない人がいる、何故か。不安、自信「自分の世界観で描いていいのか」
・「こうした方が良いだろう」と近づけ、寄せてしまうと求められている世界観が薄れてしまう。
・相手が言ったことだけでなく自分が言ったこともメモしておく
・何気なく言ったこともきちんと心に留めておくこと。ズレが生じないように
・自分のサイドに引き込んでしまえば勝てる
・発想に行き詰ったときのためのストック、アイデア
・仕事は待ってくれない
・とらえどころ、文脈、テーマ、繋がっている、キーワードを見つける。どう捕まえるか
・人生の杖は雑に扱えば雑な道に繋がっていく
・自分の中心に、絵と描くということを置く
・「逃げ」と「寄せ」に心当たりがあり、反省
【展示情報】
老若男女世界文学全集装画展Vol.8 "宇宙の眼"を描く
2015年6/30(火)-7/12(日) 月曜休廊12:00-19:00(最終日17:00まで)
gallery DAZZLE (http://gallery-dazzle.com/)
2回のワークショップ、打ち合わせ後に完成した文庫カバーと挿画、それぞれの原画も展示します。
【Facebookイベントページ】
https://www.facebook.com/events/403758569828822/
【Malpu Design】